今年に入ってから
以前からやってみたかった、ワインと音楽をコラボしたコンサートを企画公演している。
といっても、うちのアトリエでこじんまりと。
ワインをセレクトしてくれるのは友人になったのはもう20年ほど前になるかしら。鈴木さんだ。鈴木さんはフランス語専門の語学の先生。
今回はフランスとドイツをテーマとして、プログラムやワインを選部ことになり、前回のピアノソロ、プーランクのエディット・ピアフを讃えて、からの続きとして、プーランク作曲のヴァイオリンソナタに挑戦した。
以前、大阪の美術館を舞台にしたコンサートで一度は弾いたことがあったけれども、もうかなり前のことなので、譜読みからじっくり、ゆっくりと取り組んだ。
プーランクのヴァイオリンソナタにはスペインの詩人、フェデリコ・ガルシア・ロルカの思い出のために、と書かれている。
第2楽章の冒頭に
La guitare fait pleurer les songes.
と詩人ロルカの書いた一行だけ記されている。
ギターは歌に涙させる
と、まあ不器用ながらに訳してみた
、ところで止まっていたのだけれども
なんか曲との関連があるのかも、と思い直し
元詩を調べてみることにした。
「6弦」(つまりギターのこと)という題名の詩の一部であることは解っている。
LES SIX CORDES 1936
La guitare
fait pleurer les songes.
Le sanglot des ames
perdues
s'echappe par sa bouche
ronde.
Et comme la tarentule,
elle tisse une grande etoile
pour chasser les soupirs
qui flottent dans sa noire
citerne de bois.
そして、私は思いついたのである!
強い戦力がいるじゃないか!
この詩を鈴木さんに早速送り、ワインコンサートでの訳と音読をお願いしたのである。
と、
ここまででも充分にオモシロかったのですが、
鈴木さんが訳してくれたこのロルカの詩が、想像の斜め上をいく出来映えでビックリ。
というのも、掛詞になっているなんて!
そんなん、素人に解るワケないやん。
日本の和歌にも掛詞など別の意味が隠されていたりするけれど、詩にはそういう遊びも含まれているのでした。
美しいロルカの詩。訳:鈴木泰子さん
6弦
ギターはさまざまな想いに涙を流させる
失われた魂たちの嘆きが
その丸い開口部から解き放たれる
そしてタランチュラのように
ギターは大きな星の形をつむいでいく
そのどす黒い木の桶にただよう
ため息のような4分休符を追いかけ、追いはらうために
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