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軽さ

最近の若者は、、、
というお決まりの言い回しは古代ギリシア文明の頃から存在するらしい。

あまりそういう言い方はしたくは無いけれども、
確かに最近の若者に見られる音楽、演奏の傾向は存在する。
何十年前から教えることもライフワークの一つだけれども、生徒さんもレコード、CDを聴いて勉強した世代から、今はスマホサイズのYouTubeを参考資料に育った世代へ。
楽譜もネットで手に入れられる世代は、歴代の名演奏もYouTube検索で直ぐに聴けるのだし、情報が軽くて速い。

片や昭和、平成世代。
まあ、特に昭和かな。
思い入れ、とか何だろう。苦労?のかけら、みたいなもの。
念、といったら失礼なんだけれど、
そういう手垢のようなものは、音楽には不要じゃないかな?とちら、と思う。
必要以上の重さは美しくないことが多いし、その重さに気付かないと害悪を撒き散らしていることになる。

音楽は振動で伝わるけれども、
振動を意識する重さすら、意識する必要のない、不要なものである。(こともあるだろう。逆に作曲家によってはその響きの重さを効果的に狙った作品もあるだろうけれど)
光の軽さ、で済む名曲もあるのかもしれない。

音楽の素晴らしいところで、失敗しても消しゴムが要らない!というところが一番気に入っている。
救われる。



果たして、
まだ経験、知識、想像力不足、というところが、今の若者、世代的に軽い演奏が多い原因かもしれなくて、この先に年齢を重ねた彼らがどう育っていくのかはわからないけれども、
その軽さを吟味、取捨選択出来るぐらいには
研ぎ澄ましておきたい。