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start over

自分のコンサートの際は、
チャリティーのこと、ヴァイオリンやバッハ、音楽のこと、自分自身が最近思うことをつらつらと話すことにしている。
最初の頃はちゃんと話そうとして やたら緊張してうまく言葉が出なかったけれど、
最近は、全然形式とか内容にもこだわってないので、その後バッハを弾いたりするのも苦ではない。


この間のコンサートで話したのは、
自分の死後にあちらの世界に持っていけるもの、という内容から飛び火して始まったのだけれど、
人間を作っているものは、何なのか。


人体を構成している元素は、酸素、炭素、水素、窒素やミネラルだけれど、
ただの元素を分量を測って混ぜただけでは人間は完成しない。

愛情や情熱。一番近い人で両親だけれど、色んなヒトやモノやセカイやウチュウから転写されたエネルギーを帯びた元素?でしか無理だと思うし、
そういうエネルギーが経験や思い出となって
ワタシを構成していると感じるのだ。

コンサートでは口を慎んだけれども、
きっとエネルギーは愛に溢れるプラスのものだけじゃなくて、
不満や嫉妬とか恥辱の記憶とか、マイナスの世界のものも転写していくのだと思う。
家系や組織で引き継いでいく苦いものもあるだろう。


亡くなったら、
あの世に持っていけるものは
目に見えるモノではない。
カラダさえ脱ぎ捨てて逝く。
ココロ(心は身体の調子にも大きく左右されるものだから)でもなく、
もっと深いところにある自我、魂だけが別次元の世界に進むのであろう。

要らないエネルギーは自分の中からどんどん吐き出して捨てていくべきだと思う。


バッハの音楽はそういう自分の奥深くと向き合わされる。
楽譜は、ただ放っておけば
紙に黒いインクで記号が印刷されたものだけれど、
それをプレイヤーが再生すれば(まさに再生!)
300年前のエネルギーが蘇る。

よりそのエネルギーを生き生きと強く再生するために私たちは努力しているわけだけれど。



長く弾き続けることを目標に音楽をするのは止めようと思う。
まだ今は、自分が理想の「美」まで、到達していないのであれだけれど、やるだけやってみて、もう無理だな、限界だな、と思ったら、サッサと辞めて、次。自分がやってみたいことに飛び込もうと思う。
次、やってみたい事は現実には未だ見つかっておりませんが。


だらだら進むのはよくない。
人生は短いように見えて、結構長いかもしれないので前進あるのみ。


年度終わり、新年度まではまだ1ヶ月もありますが、心機一転、気を入れ替えました。