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river

人と人の間には名付けようのない関係性、愛が発生することがある。
肉親や兄弟の愛ではないし、師弟愛でもない。友人というのは失礼だし、男女間の恋愛のような感情がはっきりあったわけでもない。
でも、滅多に会わなくても、なぜか波長があうというのか、ある周波数でわかりあえる(分かり合えてる、とお互い錯覚してられるだけかもしれないけれど)存在のY先生。

昨日のコンサートに姿を見せて下さった時に、弾く前なのに涙がぼろぼろ止まらなかった。
休憩時間には手を握り合ってまたお互いぼろぼろ涙が止まらないし、
今朝になっても想うたびに涙が止まらない。

何でもしてあげたいけれど、
わたしが先生にしてあげられることは何もない。
それがまた悲しくてボロボロ泣いてしまう。
誰かのせいにするような、誰か、も見つからない。
きっと先生もそうだと思う。
ぼろぼろ、ぼろぼろ泣いていた。

間には川がある。
川を挟んだあちらとこちらで、手が届かない相手を想って泣いているようだ。


せめて、
私が精一杯幸せに生きようとすること。
美しいものを作って、喜んで貰えるようにすること、が結局、私に出来る、先生の愛に応える1番の答えだと思う。

また、途中で投げ出せない動機が1つ増えた。


しかし、誰々のために頑張らなきゃ、という気負いも美にとっては雑念でしかない。
常に頭を空っぽにするのは難しい、と思いながら弾いていた。
自分を信じる力をパワーアップさせなければ。